この生活に名前は付くのか

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2020年2月29日

 閏日。新宿ナインスパイスにEXTRUDERSのライブを観に行った。このご時世だけれども、往復の電車の中も新宿駅のあたりも(マスク着用率以外は)特にこれといって変化はなく、テンションも人口密度もいつも通りだった。拍子抜けするくらいに。一方、ナインスパイスの中は徹底的に自律されており、咳をしている人はおろか、体調が悪そうな人も(私が見る限りでは)いなさそうだった。おそらく、あの場にいた誰もが多かれ少なかれ「ここに持ち込んでorここから広げてはならない」という危機感や使命感を持っていたのだと思う。ちょうど他のライブハウスで何人か罹ってしまったというニュースが流れたタイミングだったし(半月くらい前の話らしいのでなんとも言えないけれど、少なくとも今現在ライブハウスにいる人たちは場とシーンとアーティストを守りたいので本当に気を付けていると思う)。私は「自分は(良い意味で)どうでもいいけれど、どちらにせよ花粉症でマスクはつけているし、それよりなにより万が一でも他の皆様に迷惑をかけてしまうことがあってはならない。それだけは絶対にダメ」という考えのもとでマスクをつけたまま過ごした。

 

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 偶然なのかなんなのか、出演者5組全てが3ピースバンドという、そんな夜。

 今日のEXTRUDERSにはひとつイレギュラーな要素があった。PAがツバメスタジオ君島さんではなかった。君島さんは他のバンドの海外ツアーに帯同している最中で、物理的にこの場にいることができない。ので、他の出演者と同様にライブハウスのPAさんにやってもらうことになる。しかし、なにせ彼らはドラムセットからマイクスタンドまで全て持ち込みで、しかも特殊すぎる機材ばかり。そのうえボーカルはウィスパーボイス。君島さん以外のPAさんがやるとどうなるのか、興味があった。

 結果、やはり全然違った。まず、全体的に音がやたら大きく感じる(本当に「普通のライブハウスの音」という感じ)。そして、ベースがベースとして低音を主張してくる音作りになっている。この2点は普段は感じないことなので、新鮮だった。あと、ボーカルに終始謎のエコーがかかっているような感じがあったけれど、居合わせた某バンドの某氏によれば「上からエフェクトをかけているのではなく、元の音がハウってる感じ」とのこと。君島さんの時はそれはない(たまにピンポイントでエフェクトをかけることはある)。しかし、そのおかげで(?)強弱や歌い回しがわかりやすかった。特に『elder? minor?』の一番最初の「め」の色々混ざったような発声と、「きえちまうまえに」の吐き捨てかたには、なんというか、ぐっときた。

 バンド自体はいつも通り、平常運転。自分はともかく周りがぐちゃぐちゃしていて辟易する今この時でも、問答無用でずぶずぶと沈めてくれる。冷たくて落ち着く。ありがたい。とはいえ、最後の曲がアレでああいう終わりかたをするとは思わなかったけど。まあ、彼らはパンクバンドだし。

 あと、鳥山さん(b&vo)のお衣装がシンプルかつクールでとても良かった(演奏前に着替えていらしたので衣装という呼びかたに間違いはないと思う)。

 

 対バンは京都のPILE OF HEXが面白かった。女性ギターボーカル/男性ギター/男性ドラムという編成で、歌いかたがかなり独特。ビョークとかそういう感じに近い。最初は驚いたけれど、全体の音の世界の統率が取れていて、やみつきになりそうな感じもある。

 そして、sassya-のベースのお姉さんがドレスアップしてヒールの高いパンプス履いて椅子に座ってガーーーーーっと弾く姿は最高以外の何物でもない。

 

 世界がギスギスする中、いつものお兄様方にお会いして少しお話してじっくり演奏を聴いたら、ものすごく安心した。会場に入ろうとした時に某メンバーさんが煙草を吸っている姿を見ただけでもちょっとほっとした。やはり日常は大切。私にとっては、これが日常。

 

 


 (帰宅後に書こうとしたら眠気で目が開かず、仕方がないので寝て起きてから書きました。ので、文字数少々多めでお送りしました)

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